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矯正治療で歯が動く仕組み

矯正治療で歯が動くメカニズム

矯正治療では、歯を正しい位置に導くために、歯や骨の性質を考えながら力を加えます。
歯は骨にしっかり支えられていますが、無理な力をかけると歯や骨に負担がかかることがあります。そのため、力のかけ方や方向を調整し、計画的に治療を進めることが大切です。

当院では、患者様の歯並びや骨格に合わせて治療計画を立て、事前にシミュレーションを行うことで、安全かつ正確に歯を動かします。こうして歯を管理することで、理想の歯並びへと導き、歯や骨への負担も最小限に抑えられます。

歯が動く過程

歯が動くのは、矯正装置によって歯に加えられた力に歯の周囲組織が反応するからです。歯の周りには歯根膜という弾力のある膜があり、力がかかると押し縮められたり、反対側では引き伸ばされたりします。この刺激によって、歯を支える骨が少しずつ作り替えられ、歯根膜も元の厚さに戻ります。こうした反応の繰り返しによって、歯は段階的に移動します。

ワイヤー矯正では、ワイヤーの弾性や形状記憶の力を利用して歯に持続的な圧力をかけ、3〜5週間ごとに装置を調整しながら歯を動かします。マウスピース矯正では、形の異なるマウスピースを1〜2週間ごとに交換して少しずつ歯を移動させます。装置の種類は異なりますが、どちらも歯根膜と骨の働きを活かして安全に歯を動かす点は共通しています。

矯正治療で行う主な歯の動かし方

水平移動させる

歯根を平行に移動させます。歯並びは平行であることが理想とされています。

傾斜移動させる

歯の根の先端付近を支点として回転するように動きます。

回転させる

ねじれた歯を元の角度に戻るように回転させます。支点に対してうまく回転することが理想です。

引っ込める

伸びた歯を骨の中に沈み込ませます。他の動かし方と比べて難易度が高く、高い技術と工夫が必要です。

引っ張り出す

歯根を引っ張り出すように伸ばす動かし方です。歯周病によって歯槽骨が下がっている場合に、骨の高さを作るために行うケースもあります。